架空設定とダイスの目

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 アンブローシア・シナリオにおいてダイス(サイコロ)の目をどのように利用したか簡単にまとめます。
 データがある程度ランダム値となりはしますが、アンブローシア・シナリオ程度のシナリオ規模だと延々と続く単純作業にめげそうになりますので、参考にされる場合は適当に取捨選択してください。

 まずは大まかに。
 データ作成時にダイスを振ったのは武将の年齢・性別・能力値・子の有無及び人数・寿命・初期保有戦力と、ほとんど武将データである。
 <城データは配置後に状況(平地か山麓か、など)から適当に仮設定。中央からの距離を目安に地方ごとに(初期値/最大値)を設定(中央は75%程度、ソーマは60数%など…)し、勢力・武将配置が決まった後調整。よってダイスは使用していない>
 武将はまず仮データで勢力の持つ城数にほぼ合わせた数を置く。


1.ダイスソフト
 フリーウェアのサイコロソフトを使用する(ごく初期だけ六面ダイスを使ったが、作業能率が悪くソフト使用に代える)。
 ダイスの面2・4・6・10、ダイス数1〜5個に設定できるソフトを適宜設定を変え、複数並べる(そのときの作業による)。


2.能力値
 6面5個の設定でソフトを立ち上げる。一つで一人分。ダイス左からA〜Eとすると、武勇AB、政治BC、智謀CD、忠誠DE、野心EAと、ダイス二つの組五つを見る。
 目はダイス二つ分だから2〜12の範囲の値が出る。この値をデータ値1〜10にどう当てはめるか換算表を作っておく。今回の換算表より前三つの能力値の出る確率は次の通り(忠誠・野心はまた違う換算法)。
 《 1:1/36 2:5/36 3:1/4 4:1/6 5:5/36 6:1/9 7:1/12 8:1/18 9:1/36 10:1/216 (10は6・6のゾロ目の後いずれかのゾロ目が出たとき)》
 サイコロソフトは同時に複数開いて振った(この場合はボタンを押す)方が効率がいい。

 この流れで能力値を出したのが最初の44-01aシナリオで、数値自体は44-A+まで受け継いでいる。ただ、数値の分散が予想したほどでなく、高能力値武将が割り合い多くなった。ちょっと能力が高い武将が多いのでは? という助言から若干のマイナス補正をしたのが今の44-C+である。
(正確には、6面4個の設定でダイスを振り、右からAB、BC、CDと三つの能力値にダイス二つ分の出目を振り分け、その値からー1、−2、−3、±0、+1と補正値を求めていったのだが、能力値が高めの武将は+1が出ても足さず、低めの武将はマイナスが出ても引かないようにして全体を平均化しようとした。これが44-01cシナリオ。
 しかし今度は能力値3or4の武将が多くなりすぎ、Aシナリオの能力値に沿って補正し直した。

  例:4.6.7.の武将が出目補正で3.6.5.となった。補正値の計は−3。
    これだと性格が変わってしまったので、ー補正値はそのままで3.5.6。とする。

 これにさらに若干の調整を加えてできたのが44-C+である)


3.年齢・性別・寿命・子(親)の有無及び人数
 10面(出目0〜9)5個の設定とする。0〜45の範囲の値が出るので、これをシナリオ開始時の年齢とする。

 性別:2面(出目0か1)4個の設定で1(4個のうちどれか一つが1)のみが女性。残りは全て男性。

 寿命:6面2個の設定で、左>右ならプラス、左<右ならマイナスというルールで基本値60から加減する(5・3が出たら60+8で寿命68歳)。ゾロ目が出れば、次に出た値の加減に10を加える(3・3ゾロ目の後2・3なら60-5-10で45歳。3・3の後さらに4・4、次に2・1なら60+3+10+10で83歳)。

 子の有無:2面5個の設定で、1が出た数が子の数。当主が0のときのみもう一度振る。それでまた0なら初期当主の子(少なくとも武将で登場する子)は登場せず。

 子の出生年:6面5個の設定で、まず左側二つの出目を見る。基本値28として寿命と同じ処理をする(3・4が出たら28-7で第一子は親21歳の子。親の生年が230年なら第一子は251年)。第二子以降がいる場合は次の二つの出目を足した年が生年。それがゾロ目ならその次の二つの目に10を足す(3・3、4・5と出たら10+9で第二子は第一子の19歳下となる。またこの段階でダイスをもう一回振っている。子の数が多ければその分ダイスを振る)。次もゾロ目なら双子とした。
※たまに親の没年後の子が現れるが、その場合は没年まで繰り上げるかあえてそのままとし状況設定の材料とする。

 (孫の設定):このときまでに設定を終えた子武将が270年までに登場済みなら、同じ方法でその子を設定する。

 親の設定:ここまで設定して当主・家臣ともに血族設定ができているが、最初期設定武将(仮武将データに正式データを入れたもの)が若年の場合、親武将を設定する。この親武将の年齢は子の出生年と同じ処理で導く(つまり最初期武将が親が何歳のときの子か出す)。
 その親武将について子チェックし、二人以上子がいることになれば最初期武将の兄弟(それが当主なら当主の兄弟)が設定される。初期登場武将が少ない場合も、同じく。
 さらに周辺状況からまだ初期武将が少ないと判断した場合は、この親武将の兄弟武将(つまり最初期設定武将の叔父など)及びその子らを適宜設定した。

 以上より登場武将の一族設定が完成する。当人しか登場しない武将は、ダイスの出目で子が出ないことになったため。ただし武将として登場しないということなので子が全くいないというわけでもない。


4.初期保有兵力
 最初の44-01aシナリオは調整したものを除き、ほぼ初期武将保有歩兵は1000、未搭乗武将500にそろえている。
 ダイスで出したのは騎馬と鉄砲数で、地域あるいは家ごとに6面5個のダイスを振った。これで騎馬が多めか、鉄砲が多めの家(あるいは地域)の性格ができ、さらに全体のシナリオ調整で周辺状況から微調整を加え配布時のデータとなった。


5.266年シナリオでは
 現在、266年開始若干拡張シナリオを44-C+をベースに製作中だが、今のところ、元シナリオ勢力の存続チェックにダイスを振っている。
 2面5個で出目合計が2以下が出た勢力は例外(存続を初めから決めている王家、カロン、プロセルピナ・ノルド、トラファルガ、アルリシャ)を除き容赦なく消した。消えた勢力で最大のものはソーマ公。消えた勢力の領地はまず大まかに周辺勢力に分け、また従属・臣従勢力に消えたものが多めの主家勢力、今回は例えばネクトール公は主家自体の領地も若干減らした。ソーマ地方は比較的消えた勢力が多く、残っためぼしい勢力、カーダモン伯とドラモット家により大きく再編された形となった。
 後は新規勢力・武将一族を追加、また消えた勢力の所属武将の登場未登場、存続勢力の中で元シナリオより拡大した勢力の有力家臣を独立(臣従扱い)させるかどうかなどなど手を加えていくことになるが、それ全てダイスチェックするかは作業の状況による。
 武将データについてはawakさんのジェネレーター(まんちょーねさんの戦国史アンテナから辿るのが便利)を補助に使わせていただくなど省力化の手段を考えたいと思う。


6.追記
 このアンブローシア・シナリオで用いたダイスチェックの手段について最後に述べる。

 まず、今回はやってしまったが、1000オーバーの武将データ作成でこの手段を用いるのは非常に単調で時間のかかる作業だった。HSPやひまわりなどのエディタでツールを組めればその方がよいだろう。もっともデータベースとデータ生成のルーチン作成に頭を悩ませることになろう(語圏を絡めた武将姓名の生成も考えればなおさら。さらにエディタを一から勉強しなければならないのもあり、今回は単純作業を選んだ)。
 ただし、アンブローシアの世界設定はこの手段で作った武将データに大きく依存しており、細かな設定を全て頭で考えなくて済んだという意味はあった。また1000オーバーの武将数は勢力をある程度固まりとして表現でき、突出した個人能力がシナリオ進行に影響を与えることを抑えられたと思われる。

 以上から、架空設定の造り込みには悪くない手段ではあるが、省力化を考える必要があるのは間違いない。


 2004/10/14:修正部分
 ・ 性別:2面(出目0か1)3個の設定で⇒『4』個の設定で
 ・ 能力値、親の設定の項に追加
 ・ コピペ間違いを修正(『<br>』を貼るところがコピーし直し忘れて『性別:』に)。
  教訓:半分眠りながらページ更新をしてはいけない


 2004/10/15:修正部分、及び追記
 ・ いくつかの誤字・脱字を訂正
 ・ a系シナリオからの武将能力値マイナス補正の件に補足すれば、A、C両シナリオで
  能力値変化がほぼ無い武将は補正チェックをほとんど±0で乗り切ったわけである。
  従って両シナリオを見比べ能力値があまり変わっていない武将は隠しパラメータ『運』
  が加わっていると解釈してもいいかもしれない。。
  (もちろん、一度下げた値をバランス調整で戻した例もあるので一概には言えない)。

  ちなみにこの補正チェックには、これまで全般的にダイス運が強いアリアベルタ
  やトールも抗えず、それぞれ政治値を1ずつ落としている。それでも他の二つの値
  は下がってないのだから、やはりダイス運は良いのだろうか。


 2004/10/21:追記
 ・使ったサイコロソフトはこちら


 ・能力値出目の具体例
  出目から能力値を求める流れを簡単に追ってみる。

表1.6面5個の出目の一例
A B C D E
53644

 表2.出目-能力値換算表

1 2 3 4 5 6
1 122334
2 223345
3 233456
4 334567
5 345678
6 456789

  ※6・6のゾロ目は9だが、このときだけ別に開いた6面2個ダイスで
  ゾロ目チェックをする。それでゾロ目が出れば10とする。


  式1.忠誠・野望値計算式
  忠誠or野望値=左側の出目+右側(1or2⇒1,3or4⇒2,5or6⇒3)
  ※よって忠誠・野望は2〜9までの値しかとらない。

  それぞれの能力値は、次の出目から換算する。
  武勇=AB、政治=BC、智謀=CD、忠誠=DE、野望=EA

  表1.よりAB=5・3、BC=3・6、CD=6・4、DE=4・4、EA=4・5 となる。

  表2.よりAB⇒5、BC⇒6、CD⇒7
  式1.よりDE⇒4+2=6、EA⇒4+3=7
  となり、表1.の出目から<武・政・智・忠・野>⇒<5.6.7.6.7.>といった能力値ができる。



 ・血縁関係の出目具体例
  武将は当主とする。

  2面5個ダイス一投目 0.0.0.0.0
    当主なので二投目 1.0.1.1.0

  子の数は3人と確定。

表3.子の生年を求める出目
1人目 2人目 3人目 不使用
一投目
二投目
23226
35111

  表3.より、第一子は28ー(2+3)=23で親が23歳のときの子。
         第二子は23+(10+6+3)=42で42歳のときの子。
         第三子は42+5+1=48で48歳のときの子となる。



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